“魔綺のエッセイ「金玉食堂・改」その9”
《注・このコーナーは時にHの刺激が強いので。心して読むように……。魔綺。》


 
 8月3日。「どうしてエホバは、男なのだろう??」 

 神には、ファミリーはいないのか??
 妻は? 親?は 兄弟は?? 神は、正しく孤独なのか??

 ……そのへんは、疑問符であるが、

 それに対して、こと最近の人間世界は、片親世代が多いようだが……。
 神は別として、現実的社会の人間の子供には、絶対的に両親が欲しいものである。

 父が働き家族を養いつつ家族を愛しみ、母は子を慈しみつつ、世間でのマナーや善悪の善し悪し、そして身の回りの生活方法、情操などを教育するべきである。

 そして始めて、1人の心身共に成人した人間が育つのである。

 両親が働いてしまったり、片親で子供を育ててしまうと、その残された子供は、幼児施設や学校などでなければ、教育は、出来なくなってしまうのである。

 しかし現在。学校教育は、奔放な子供の遊び場兼、エロ教師の汚職の場となっている。

 ……世の秩序は、現在どうなっているのだろう。

『人間は、1人で生きるものでは無い。』
 ……でも、神は独りだ。

 人間は、産まれて来る以上、必ずいつかは死ぬ運命である。
『始めがあるものは、最後もある。始めが無いものは、終わりも無い。』
 これが、世の掟なのか??

 人間は、どこから来て、どこへ行くものなのだろう??
 人間とは、一体何なのだろう??




 8月19日。「ばんごはんはラタトウユ。」

 近所の親父から、イタリアの茄子を1個もらった。
 うす紫色で、固くてまるい、400グラム。
「珍しいものを買ったので、あげる。」と、言われた。

“ロッサビアンコ”とかという。茄子である……。

 魔綺は。始めて“沖縄産のゴーヤ”を眼にした時のような、大ショックを受けた。
「何なのだ!!!! これわ!!!!」

 イタリアの茄子。『……り、料理法がわからん。 』おろおろ。

 料理法を模索すべく、すぐに図書館へ走りよった。

 茄子はイタリア産なのに、なんと、料理法はフランス料理にするとうまい。
 魔綺の選んだ料理は“ラタトウユ”つまり、野菜のごった煮。甘く無い野菜のジャムという感じだ。

 レシピは、オリブ油。茄子。ピーマン。パプリカ。ニンニク。タマネギ。トマト。
 料理法は、一品づつ、焼いて、 さばいて、順番に煮てゆく。

 出来上がりは、ぼぼどろどろ。切った形をどうにかこうにか温存しているだけの。野菜煮込み。
 味付けは、若干の塩。あとは素材のみの、ものしずかな、お味。

 少なくとも、白ご飯には向かない。
 食べ方は、輪切りにしたフランスパンにのっけて、ワインと一緒に食う。

 イタリアのピザのソースとして、のっけて焼いても良いらしい。ロングパスタに混ぜて食べても良い。

 たくさん出来たので、6食回分、馳走になった。

 ……妙な、時間を過ごす魔綺であった。




 8月20日。「“毛皮を着たヴィ−ナス”を読んで。」

 マゾヒストという言葉の言語の元となった、マゾッホの作品。「毛皮を着たヴィ−ナス。」である。

 主人公こと、ドイツ人青年・セベリーン(「家畜人ヤプ−」の主人公のモデル、こと瀬部鱗一郎 )は。
 ある日、知り合ったドイツ人女性・ワンダに恋をする。

 セベリーンは、ワンダを、自分の性癖にあった女性にしつらえようと。彼女を、女神のようにあがめつつ、彼女を性的サディスト女性(ドミナ)へと調教してゆく。

 現実的に、ワンダが残酷な性癖を持つ女神(ドミナ)となった途端。
 彼女は、セベリーン以外に愛人を作り、セベリーンを棄てて、愛人と共にセベリーンのそばを離れて行くのである。

 なんと言う、悲しい話であろう……。
「心から愛してしまったがゆえに、セベリーンとワンダは、離れ離れになってしまったのである。」

 ワンダが、セベリーンに。
「貴方を虐めていると、ついには私が、貴方を攻め殺してしまいかねないから……。それが辛い。」と言い。

 同じ、サディストの性癖を持つ男と一緒になり、マゾヒストのセベリーンと別れてしまうのである。
 別れられたセベリーンも辛いが。実は、彼から別れたワンダも辛かったのである。


 魔綺は、そこまで読むと、
『きっと沼正三先生は、大好きなワンダと離れ離れになった。気の毒なセベリーンに同情をしたのだな−。』
 と思った。

 そして沼氏は、『変態たちが自由に、お互いの愛を楽しめる、楽園があったらなあ〜。』と夢見て、
「家畜人ヤプ−」を執筆したのだなー。と感じた。

“おお!! 変態万歳!!! ”である。




 8月20日。「ソフトペッティングだけで、“イッ”ちゃう女の子なんて……。」
 今日日の魔綺は、「魔装学園ハイブリットハート」を観ている。夏アニメ。

 主人公達は、バトランティス人と名乗る、未知の敵と闘うために。ハイトク武装とかという、戦闘装備をしつつ、その装備のエネルギーゲージをアップさせるために、エッチを行なう。

 そのエッチが、凄ければ凄い程、ゲージはアップする。つまり戦いに強くなるのだ。

 しかし、彼らは決して、ベエゼもしなければ、インサードも行なわない。
 あくまでも、女の子たちは、ソフトペッティングだけで、あっさりと“イッ”てしまうのだ……。

 主人公の独り、キズナくんは男の子なので。いつも、おあずけを食っているばかりなのだが、
 結構、このソフトペッティングを楽しんでいるようだ。
(ムシが出ないなんて、本当かな……、強いんだな。)

 深夜のポルノっぽい。おたのしみアニメである。




 8月20日。「魔綺の警備員日記。」
 今年のお盆は、妙に“御遺体さま”の数が多い。いつも、満員御礼である。

 魔綺は、夜番なので、葬式よりも通夜の係をさせられることが多い。

 おおくの参列者たちは、
「お盆だから、御先祖さんたちが迎えに来てくれているのだろう。」などと会話をしている。
 宗旨は、かぜん仏教のしきたりで行なう人達が多いのだ。

 今日日は、真夏なので、畳を敷いた会場内で、棺桶を前に、ごろ寝をする人も多い。
 つまり、一晩泊まることを目的に、ふとんを所望する人は、冬場よりもずっと少ないということなのだ。

 夜なのに、真夏の夜がにぎやかなのは、ここが葬式場だからかな……。



次回の「金玉食堂・改」を、乞う御期待。



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