○ACT3_14“真・家畜人ヤプー・リリスの帝国編”○
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ACT3・14
●第45話●ΓΕΝΝΙΕΜΑΙ(御子出生)●
◎ACT3“真・家畜人ヤプー・リリスの帝国編”第45話◎
◎第45話◎ΓΕΝΝΙΕΜΑΙ(御子出生)◎
西暦紀元2980年。ヤプー歴1758年。8月12日。
僕のかつての名は“キャノン・ダイシー型3”……。
僕は、未来社会イースから旅立つ前。僕のマスター(上司)、ポーリーン侯爵に切願した。
「僕に、カヨを下さい。」
ポーリーン侯爵は、目をまんまるにすると、不思議そうに僕の顔を見つめると言った。
「何?? カヨ。どうするの?? あんなもの??」
キャノン3「僕が過去に戻る時に、一緒に連れて行くのです。」
ポーリーン「貴方の仕事に必要なの??」
キャノン3「はい、マスターその通りです。」
ポーリーン「うん、いいわよ必要なら。連れてお行きなさい。どうせ貴方にとって、今度の仕事は、片道切符になるはずだから……、私にとっては、“ロード(イース貴族)”の“御子(赤ちゃん)”を、下(産道)から“産み落とす”“ヤプム(子宮畜)”なんて、もう要らないわ。
……事はと言えば、あの“デミル(ポーリーンの主治医の独り、産科)”が、私の大切な“ユーリナリー・ピグミー(検尿倭人)”を医療過誤で殺した後、私に黙ったまま、また別の“ユーリナリー・ピグミー”を使われていたものだから、
シェリルの出生に“1週間”のずれが起こった……。結局、勝手に“分娩”をされてしまったわ!!!!
あれは出来が良かったから人工切開をして、2人目の私の子に、もう一度使おうと思っていたのに……。」
ちなみに。イースでの“ヤプム”の使用は、必ず“人工切開(帝王切開)”によって、“ロード(主人)の御子”を“出産”する。
なぜならば、“イース”では。一般的に“ヤプー”は《イース人のし尿を股間から食らう不浄な生き物。》と考えるからである。
それゆえに“ヤプム”のみは、“普通のヤプーたち”とは違って、“ヤップミルク(し尿)”を、お尻の穴から出る“エンジン虫”に食べさせて自己の栄養源とする“習性”は全く無く。
全く“ロード”と同等の食物を食べ。普段から、御子の栄養を補うだけの十分な栄養素を採っている。それがゆえに“精神的非衛生的概念”は、全く無いはずなのである。
しかしもって、“ヤプム”とて“ヤプム”である。ヤプムはロードの御子を、正常分娩で産む事などは有り得ない。
今回の出来事は全くの、“証拠隠滅の罪”付き“医療過誤”であった……。
その後。デミルは、“罰”を恐れて“御子”が産まれる4ヶ月前から、ジャンセン家所有のヨット(小型時間飛行艇)を1台盗み。“未来の時代”へ逃亡した。
ポーリーンは、この逃亡を企てたデミルをその後、“特別犯罪者”の“未来永劫指名手配者”として扱った。
ポーリーンは実の所。自分の赤ちゃんが“正常分娩”で産まれ出てしまった事を酷く恥じている。
分娩はあまりにも突然の事だったので、“ダイシー3”が“産科医”の代わりを勤めてしまったのだ。
出産そのものの出来事は嬉しかったが。“イース人貴族”ポーリーンとしては、生活保護を受けなければならない程に貧乏な“下級イース人”のみが、未だに行っている、非常に野蛮な行為。
その“自力出産”を、家畜人たる“ヤプム”に、“事故”とは言え、自らやらせてしまったのだ。
今回の出来事を知っているのは、現在ポーリーンとカヨ自身。そして、アンドロイド・ダイシー3のみである。
ポーリーンには、またそれはそれで、“嘘の仮想現実映像”を造り上げ、それを“アルバムに残し”事実を“隠滅する”執拗に心駆られた。
しばらくして、ポーリーンがダイシーに言った。
「まさかあんた。アンドロイドの貴方が、カヨを“好き”になったなんて事は、無くって??!」
ダイシー3「その通りです、マスター。私はカヨに“雄畜”にされてしまいました。」
するとポーリーンは、笑いながら言った。
「アクリス社の、ダイシー型ならひょっとして“有り得る”かも、しれないわね!!!! もともと、普通のアンドロイドには必要もないはずの“感情”も“人格”も、実際あるように造られている訳だから。
それに“ダイシー型”は皆、至上まれに見る“嘘つきロボット”ですもの。さあ行きなさいカヨを連れて、過去の時代へ。
それから、過去からの職務報告は、逐一、アンナ総督へ……。忘れないようにしてね。」
ポーリーンは、そう言ってダイシー3を手放した。
元来。ダイシー3は、ヤプムの“種付け用”に、ポーリーン自身が妊娠を自覚確認した直後に、急遽アクリス社から、買い取ったものである。
ポーリーンは。今回の事故が原因でか、しばらくは“妊娠”をする事を止める事にした。
事故とは言え、“喜び”が“恥”に変わったのだ。嫌な思い出を残してしまった。ダイシー3を“種付けアンドロイド”から“タイムパトロール用・アンドロイド”にしてしまったのも、その理由であった。
その後。ダイシー3は、カヨを連れ、2人で“地球支部・タイムパトロール指令総監、アンナ・オヒルマン侯爵”の元へ、旅立って行った。
ダイシー3が、別れ惜しそうに、別れ間際に“ポーリーン侯爵”にこう言った。
「長命と繁栄を。私のマスター、ポーリーン様。私が今後。マスターに再び出会う事は、もう無いでしょう。長い間有り難うございました。私は、今後自分の生涯において、マスターの事は決して忘れる事は決して無いでしょう……。」
ポーリーンは、笑いながら返事した。
「まあ。貴方って、まるで“人間”みたいな、ものの言い方をするのね。」と、
ちなみに、キャノン・ダイシー型・アンドロイドは非常に“高価”なアンドロイドである。
ゆえに、大富豪侯爵家“ポーリーン・ジャンセンの邸宅”でも、全機で3台しか無いしろものであった。
こという、そのうちの1台を、アンナに中古品として“手放す”のである。
そして、このあと地球の“第7次元化計画”が始まり。デミル博士は思う間もなくに、捕まってしまうのだった。デミル博士は、やはり未来の地球へ落ち延びていたのである。
即刻デミルは、アンナ総督の命令で“ヤソクマ2号(オークニ氏が既に落されている、異次元亜空間・ブラックホールへの、2人目の投獄者)”にされるのであった……。
原文・2001年月。
2015年11月 アップロード。
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