ACT2“真・家畜人ヤプー・リリスの帝国編”第20話、第21話


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◎第20話・ΓΕΝΕΣΙΣ γ´(ゲネシス トリア・創世記3)◎
◎第21話・ΑΝΝΑ γ´(アンナ トリア・女神アンナの書3)◎






“真・家畜人ヤプー・リリスの帝国編”第20話
★ΓΕΝΕΣΙΣ γ´(ゲネシス トリア・創世記3)★





 再び昔。エデンの園……。それはいつの時代の事だっただろうか……?

 年中を快い春に。あらゆる動植物全てが人間に対して従順に。
 その場には、山や河、草原や森があり、全てが輝くように美しかった。

“時間の支配者・ルシフェウス”“エデンの園”“管理者”だった。
 エデンの園に住まう人類は、たった2人。男の“アダム”と、女の“エバ”のみだった。


“造物主”は言った。
「この“エデン”に生える全ての“木の実”は、どれを“食べても良い”が、1つだけ食べてはならない“木の実”がある。
 それを“禁断の木の実”と名付けよう。お前達は、これを食べると“直ぐに死んでしまう”身体になってしまうし、この“エデンそのものでさえ崩壊”してしまうのだ。“決して食べるでない”ぞよ。」と。

 たった2人の人間の、たった2人きりの生活が、毎日のように続いた。
 来る日も来る日も続いた……。それでエデンは平和だった。


 ある日。“時間の主護神”でもあり、造物主の息子でもある“ルシフェウス”が、人間の彼等にこう言った。

「エデンの丘の頂上に生える“禁断の木の実”は、“進化の木の実”である。人間よ、もっと“賢く”はなりたくないか?!
 “禁断の木の実”の隣には、“生命の木の実”と呼ばれる、造物主が“たくさん食べなさい”と言われる木の実が成る木が生えている。しかし“生命の木の実”ばかりを食べていても、今の生活が永遠に続くだけで、“変化のない平淡な毎日の日々が続く”だけであるぞ。

 人間よ“進化”はしたくないか?! 今のままで良いと思うのか?!」

 アダムが答えた。
“禁断の木の実”を食べると、人間は直ぐに“死んでしまう”そうだ。私は死ぬのは恐い。」

 ルシフェウスはアダムに返した。
「私が、お前達に“永遠に生きる方法”を教えてやろう。そうすれば恐く無い。」

 ルシフェウスが、今度はエバに言った。
“禁断の木の実”を食べても、人は“永遠に生きる”方法は見つけ出せる。
 人間は直ぐに死んでも、お前達の子孫が後を継いでくれる。

 人間には、もともと“知恵という英知”があるではないか?! 自分の生きざまを自分自身で模索し、未来永劫を“進化し続け”ながら生きて行くのだ。

“禁断の木の実”には、今まで“止まっていた時間を再び起動させるDNA”が入っている。それに対して“生命の木の実”には、“時間を永遠に止めて置くプラスミド”が入っている。

 同じ事のくり返しの日々に、お前達2人はそれで満足をしているのかね?!」

 アダムは、
「確かに変化の無い毎日だが、私はこのままで良い。」と言い。

 しかし、エバは。
「確かに“退屈な日々の繰り返し”は嫌だわ。“進化する”ってどんな風なの?」と、ルシフェウスにたずねた。

 ルシフェウスはエバに答えた。
「今2人は“裸”でいるが、そのうち“着飾る”事を覚える。すると人間は“美”に対する競争意識が生まれる。それは、今よりずっと“自分の容姿を自由にする”事が出来るようになるのだ。




 それからお前は、今、自分達が“どこにいるのか”も知らないのだろう? 遠い地方にある、“大きな海”を見た事があるか?“高い山脈”を見た事があるか?“広大な砂漠”を見た事が
あるか? それに海の彼方には“遥かな大陸”がある。お前は空を見上げて何を思う? 天上の彼方には“暗黒”と小さな“星星”が瞬いているのだ。

 あれは“壁”で出来ているのじゃないのだよ。永遠に広がる“宇宙”があるのだ。実は、うんと近付けば星星は“巨大な太陽”なのだよ。
 人間は“進化”をくり返せば、いずれ“星の世界”へも“自分の力”で行けるようになるのだ!!!」


 エバは“人間の進化”について、“興味”を示した。
“禁断の木の実”を食べれば良いのね? そうすれば、ここがどこだか判るようになるのね?! 私。“進化したい!!!”

 そう言うと、エバはアダムが止めるのも聞かずに、“禁断の木の実”を1つもぎ取って食べてしまった。
 間もなくして、エバが食べてしまった以上、いたしかたないと、アダムもエバにしたがった。

 すると、間もなく“惨事”が起こった。






“エデン”
を支える“4つのケルビム(四方の柱)”が崩れ出し、“エデンの世界”が崩壊してゆく。
 地面が割れ、突風が巻き起こり、稲妻が荒れ狂い。雨雲がもうもうと立ち上がった。

 このエデンに住まう全ての、1つがいづつの生き物全てが、行き場を失いエデンの中を、狂ったように逃げ惑った。

 ルシフェウスは、崩れて逝くエデンの惨事をかいま見ながら、大声を挙げて狂喜した。
「“時間が!!! 時間が崩壊したのだ!!! 時間が、元来の姿に戻りつつあるのだ!!!!“造物主の箱庭”など、無くなってしまえ!!! 時間は到頭解放されたのだ!!!!”」

 エデンは、一億年前の“中生代末期”の時代に止められ、あるべき“亜空間に固定”されていたのだ!!! 生き物達全てが、造物主の試作品だったのだ!!! 造物主が造った、この箱庭なる世界!!!! それがエデンだった!!!!



 かくして、人類の歴史は“南アフリカ”から始まった……。

“エバ”の別名を、後の人類は“ラッキーマザー”と呼び。全ての人種の母と讃えられた。
 ただ、ヤプーたる“日本人”を抜いてのみ……。

“イース世界の事実”では、
“日本人”“プラスミド”のみが、“ネアンデルタール猿人”の物と“同一”だった。

“禁断の木の実”には、“時間”が入っていたのだ。
 それはきっと、“時計仕掛け”だったのに違い無い。

“時間神・ルシフェウス”は忌むべき、“造物主の息子”である。
 彼はのちに、“アフロディーテー(マリア)”に戒められ、“ゼウス(メタトロン)”によって、“魔界へ封印”され。

 再び人の世では、“ルシフェウス”“サタン”と呼ばれる悪魔となった。
 しかし、南米では、翼を持つ蛇“知恵の神・ククルカン”とも“白神・ケツアトルコアトル”とも呼ばれ、世界の“4つのケルビム”の1つ、“青い柱の主”とも呼ばれる事となった。



 事実。時間は平常通り起動する。ただ起動を止めるのは、エデンに住まっていた頃の、アダムとエバの心の中の名残りが、今もなお残っているせいなのだろうか……?
「恋する“男”“女”の間にのみ、永遠に“止まった時間”は存在する……。」



原文・2001年2月3日。絵・文の写し・2004年8月 製作。




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