「真・家畜人ヤプー絵伝」
★畜輪車 いつもの体で 図書館で アンナの自伝に独りおもほぐ
「真・家畜人ヤプー絵伝」魔綺大納言
21世紀球面から、拉致されて来た、天野哲夫の脳核は、普段は人を乗せて走る畜輪車のサドルであるが、そうでない時は畜輪車からサドルを取り外し、アタッチメント式の、首無し爺の体の頭部に接合する。
そういう彼は、空中浮遊島・ラピュータの図書館で、独りもくもくと「自伝」および「アンナの自伝」「ラピュータの日常」等を書き物として書きしたためている。
アンナの自伝「私たち姉妹は神話になった」を書いたのは、ここだけの話だが、実は、アンナが書いたものでわ無く、この畜輪車が書いたものである。
★ニ頭獅子 妾(あたし)のペットでツーペット 寿(コトブキ。コトウィック家)ゆかりの家紋のとおりに
「真・家畜人ヤプー絵伝」魔綺大納言
クララ・フォン・コトウィック伯爵の家紋は、2頭が向き合う“迎え獅子”である。
ちなみに、古代ギリシャの神話に出てくる、森の妖精で半女神のキュレネは、幼少の頃から、2頭のライオンと相撲をとることの大好きな、鋼力かつ冒険家の娘だった。
キュレネはのちに、オリンピアのアポロンの正妻となる。
クララは自室のベッドに戻ると、必ず2頭のライオンが待っている。
彼等は、裸のヤプーのリンと、ネグリジェ姿のウイリアムである。
クララの夜伽は、いつも2頭のライオンと、楽しくプレイをするのだ。
★父母が 殿のしりへの ももよ草 百代(ももよ)いでませ我が来るまで
「万葉集」生玉部足国(いくたまべのたりくに)
あるセッチンの読むアンゼム……。
神々しいイース人は、私の尊敬する父であり母である。私は、一人前に成長して、男用の公衆便所のセッチンになった。私の価値は、便所の側に、いつも生えている雑草程の価値しかない者にすぎないが、私の血筋でもうセッチンを、百代も続けている。
追記・本書「真・家畜人ヤプー絵伝」においてのセッチンは、西暦2222年(ヤプー暦元年)にはついにその原形が誕生している。その奇形ヤプーをセッチンとして使い出すこと、約17世紀にも及ぶ。
一般的なセッチンは、畜人中学を卒業した段階で、すでに公衆便所用セッチンとしての職務に従事することが出来る。そして、大抵の場合、セッチンとしての使用は雄畜であることが多い。雌畜は、ほとんどが繁殖用であるからだ。
雌畜の場合、ほぼ14歳前後で始潮(月経。メンゼス。あんね)が始まるため、その時点での種付け、養殖が可能となる。
イース帝国にとってのセッチンの大量生産は、第一目標、そして必須項目である。
17世紀。つまり、紀元後約1700年……。ほぼ、100世紀にわたるセッチンの家系図を成す個体の存在などは、決して珍しくは無いのである。
★恋するに 死するものに あらませば 我が身は千度(ちたび)死にさらまし
「万葉集」作者不詳
リンの読むアンゼム……。
僕の体を複製機で、滅茶たくさんに増やされて、それぞれ個別に色んな姿に加工されてしまった。しかし、僕の意識体は1つなので、何度殺されても、何度も何度も生き返ってしまう。これも、恋するクララのすることだから、従順に従がわなければ。
★なかなかに 人とあらずば 酒壷になりにてしかも 酒に染みなむ
「万葉集」大宰師大伴卿(だざいのそちおほとものまへつきみ)
リンの読むアンゼム……。
クララの留守中に、ウイリアムの小便器にされてしまった。僕はクララ専用なのに、私有混同もはなはだしい行為だ。しかし、僕はヤプーであるから「旨酒(イース人の小便はヤプーの酒となる)を飲め!!」と言われて、お断りする権利は無い。
そーゆー事があってから、僕は度々ウイリアムの小便器にされる。僕はいつしか、ウイリアムのお気に入りの酒壷となってしまった。
★天地(あめつち)の いずれの神を 祈らばか 愛しい母にまた言問(ことと)はむ
「万葉集」大伴部麻与佐(おほともべのまよさ)
チャールズの愛馬。ケンタウルスのメス畜、ユキの読むアンゼム……。
私は日々、神の御子チャールズ様の愛馬として可愛がられ、幸福でいます。イースの神々に仕えている私ですが、この喜びを永久に祈るとすれば、どの女神様を一番に、お慕いすれば良いでしょうか。
★天地(あめつち)と 久しきまでに 万代(よろずよ)に 仕へ奉(まつ)らむ黒酒白酒(くろきしろき)を
「万葉集」文室智努真人(ふみやのちのまひと)
イース人、チャールズが、ヤプー達に読めるアンゼム……。
僕は貴族の子息だが、爵位はまだ持たず、男で、まだ子供という身分の低い存在だ。しかしそれでも、僕の小便が、奴隷(色んな色の奴隷達)や、ヤプー達を慰安する美酒になるようで。それが嬉しいでか、彼等は僕の小便を飲みながら、僕を神格(ロード。神の貴族)化してくれているようだ。
小便は良い。楽しい嬉しいものだ。イース帝国が栄えあるかぎり、僕の小便は彼等のネクタル(神酒)となる。
★天地(あめつち)に 足(た)らはし照りて 我が大君 敷きませばかも 楽しき子里(おさと)
「万葉集」小納言大伴宿禰家持
ポーリーン使用の、カンニーの読むアンゼム……。
時空を支配なさる女神様の、輝くそのおみ足に敷かれ足台にされる事は、とても楽しく、生まれ育った里の星にいるような安堵感がある。
★はろはろに 思ほゆるかも 然(しか)れども 異(け)しき心を 我が思はなくに
「万葉集」新羅へ行った者からの贈答歌
ジャンセン家で使用されているヤプム用のタネ付けアンドロイド、キャノン ダイシーの読むアンゼム……。
遥かに遠くから来たもので、心に思うものがいる(交配をして、ヤプムのカヨが好きになった)。
アンドロイドの私が、こんなことを考える事は自然な事では無いし、意外な感覚だ。
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