○ACT2“真・家畜人ヤプー・リリスの帝国編”第27話、第28話○


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ACT2・3
★ΓΕΝΕΣΙΣ δ´(ゲネシス テトラ・創世記4)★
★ΦΩΡΗΝ β´(ポーリ−ン デュオ・女神ポーリ−ン記2)★




“真・家畜人ヤプー・リリスの帝国編”第27話”◎
◎ΓΕΝΕΣΙΣ δ´(ゲネシス テトラ・創世記4)◎

「遥かなる天上のお母さま!!!! シリウスの母よ!!!!“女神・イシス”の王国よ!!!!
 我が知恵の母であり、正義をさとす女神よ!!!! 豊穣のナイルの母よ!!!!

 我が民、エジプト王国の、行くべき道をさとしたまえ!!!!
 地上は“男の王”が治めるもの。天上は“女の王”が治めるもの。

 この“10万年”の長きに渡って“男の王たる神々”が、伝統を重んじ、このエジプトを代々治めて参りましたが、ついに、“女神の王”が統治せねばならない時代がもうそこまで迫って来ております!!!!

 我がエジプトの神々よ!!!! 我等の王国を救い出したまえ!!!! 私には見えます!!! エジプトの最後の時が!!!!」




 紀元前260年……。ヤプー暦2482年……。
 プトレマイオス王朝期。古代エジプト。……地球。




 ファラオの宦官。聡明なる医師。王家を守るべき僧侶。そして賢者たる、
 世の波瀾たる“賢者の石”を完成させた、オーパーツてき存在。

“ヘルメース・トリスメギストス”が、今満天の夜空の星星を見上げて、天の神々に問うた。


 彼は“ギリシャ系・イース人”。それも、
 4400年もの“未来からの訪問者”たる“アトラス侯爵夫人(オス)”の孫であり。

 母は、
 かつてのヘルメースの爺。あの“アトランティス大陸”の政治を支えた“政治官”であり、優秀なる“科学者”“数学者”そして“歴史家”でもあった夫人の、
 女主人(女の夫。イースでは、女が家督を継ぐ。)であった。




“古代エジプト人”は“文化的”かつ“合理的”な種族であった。
“現神人(あらがみひと)”とされる“王”を、その頂点に定め“王国”を1つにまとめ。

 その王たる“御前”にて。全ての人民が“平等”に暮らせるように、数々の生活的工夫が成されていた。
 個人の才能や技術を重んじ職業を定め、障害者や病弱な人間に対しても、偏見がなされぬように、様々な職業が用意され自身で選び、出来る仕事が保証された。

 何よりもエジプトは“ローマ”や“エジプト”等他国とは違い“奴隷制度”は、もっぱら“悪”とされ、独りもいなかった。
 男女は、人格共に“平等”であり。“性”の世界では“女性”の方が、格式が“高かった”。

 ちなみに、性行為の正常位は“女性上位”であったので。
 男性に短小、包茎、早漏れなどの“三重苦”を持つ者が、ヨーロッパ人に比べて少なかった……。

 女性にとっては“婚前交渉”だけでなく、万人の男性との“フリーセックス”が許され。
 女性の方が遥かに“性的知識”や“経験”が豊富で。男性は女性にリードされる側だった。

 そういう環境であるから。エジプト女性は、男性には優しく接し、安産型、非常に子煩悩にもなれた。

 エジプト人。個人についても、学問、芸、スポーツを身につける自由が保証されていた。
 エジプトには、有数の王立図書館があり大学もあり。自由な入学が許され、学費もタダであったそうである。


 これらの“史実”は。未来帝国“イース”からの“干渉”を受けていた事が、原因だったのかどうかはハッキリしないが。
“エジプト”の思想に関しては。“中東やヨーロッパ”諸国に比べて、かなり “ 異質”であったことは確かである。




 当時から、否。それ以前から“エジプト人達”は。“ユダヤ世界”“キリスト教世界”等から、“女性上位”と“女性のフリーセックス”を肯定する“教理”故にか??!

「“悪魔を崇拝する邪教徒。”」と、忌み嫌われ続けて来た。
 それも、“魔女”や“人間悪魔”を育てる元凶のひとつとして……。

 その後。“エジプト人達”の“思想”“教理”“宗教”は、ことごとく“封印”され、“誤解と偏見”の眼で見つめられながら“信仰”のありかた全てが、“地球”全土から“排除”されてしまうのだった……。


『しかし、この“ヘルメスの教理”が、のちにエジプトの“賢者・バルタザール博士”を作りあげ、彼があの“イエス・キリスト”の家庭教師になった事を知るものは少ない……。』

 人間の歴史とは、なんと恐ろしいものであろうか……?!
“イエスの教理”は、“2000年”の長きの間。実は“時の権力者”にゆがめられ続けてきたのである……。








○“真・家畜人ヤプー・リリスの帝国編”第28話”○
○ΦΩΡΗΝ β´(ポーリ−ン デュオ・女神ポーリ−ン記2)○

 紀元3947年。ヤプー暦1725年。8月13日。

 ポーリーン・ジャンセン侯爵。僮か8歳の頃。
 野外での“女の子”の遊びは、木登り。キャッチボール。石蹴り。ボーリング……。
“男の子”は、もっぱらお人形を抱いて、おままごとや綾取り、お手玉をして遊んだ。

 突然。ポーリーンは、大声を出して叫んだ。
「“何だ!!!“男の子”は、室内で遊ぶ遊びばかりじゃないか!!!!”」


 ここは地球。ポーリーンは、母の地球の視察旅行の仕事がてら、母と共にこの地球にやって来たばかりだった。
 ここ地球は、ポーリーンがいつも住んでいるシリウス星系の首都“カルー”の自宅付近とは違って、妙に雰囲気はのんびりしている……とも。
 文化が立ち後れているとも、何とも“面白み”のない惑星だった。

 ポーリーンの兄、正婿の長男。“セシル”は、もうすでに“ドレイパア伯爵家”に“婿”に行っていた。
 兄は若干36歳で婿入りを果たした……。初婚であった。兄の結婚はむしろ早い位だ。800余年の平均寿命を生きるイース人にとって、男性の平均結婚年齢は100歳位なのだから。

 ポーリーンは、ジャンセン家の長女で、将来“侯爵家”の跡目をとらなければならない身分である。
 母は451歳。跡目を取る長女に恵まれる年齢としては、むしろ遅すぎた年齢だったかもしれない。

 実際ポーリーンの母は、“側室”に大勢の“パラムア(男妾)”を抱えていたし、パラムアとの間に、ポーリーンより“年上の姉”達も3人いた。しかし、妾の娘達である彼女等は。どこまでいっても、ジャンセン家の跡目とはなれない身分なのである。

 ポーリーンはただ独りの。母の正婿から生まれた、自他共に認める“ジャンセン家の跡取り”であった。


 ポーリーンは、近所に住む。卿アグネス侯爵の甥“マイケル”が遊びに来ていた。

 マイケルも若干8歳。性質はいかにもイース貴族らしく、清楚でおとなしく。いつも可愛いドレスを着た、お人形を抱いてばかりいる男の子だった。

 マイケルが「一緒に遊ぼう。」というので、
 ポーリーンは「それなら木登りほしよう。」と答えた。

 マイケルは困った。それもそのはずである。マイケルはピンクのミニスカートを履き。ポーリーンは、身体にぴったりとした長ズボンようのスパッツを履いていたのだから。

 マイケルは言い返した。
「僕。木登りは苦手だ。女の子にパンツを観られたら、ママに叱られるもの。それに“ベティちゃん(彼が手に抱くお人形)”を手放せないもの!!!!」

ポーリーン「じゃあ、隠れんぼしよう。」

 あたりを見回せば、樹木。低木。小川。小さな石ころ。芝生。花壇。遠くの方にネアンデルタールハウント(ヤプーの家畜犬)の犬小屋……。
 またしもマイケルは困った。隠れる所なんて、やっぱり木の上しか無い。

 困りながら、マイケルは言った。
「おままごと付き合ってよ……。」




 すると、ポーリーンは、怒りながら返した。
「“それじゃ野外で遊ぶ意味がないじゃないか!!! じゃあ姦蹴りは?! 石蹴りは?!”」

マイケル「どれもパンツが見えそう……。」
ポーリーン「マイク(マイケル)は、ロングスカートを履いてくれば良かったんだー!!!!」

 間もなく、2人の間に無言の何もしない時間が経過した。
マイケル「やっぱり僕。家に帰る。家で、奴隷や博士たちと遊ぶ!! その方がいいや!!!」

 マイケルはポーリーンにつれなくそう言うと、軽やかに自宅へ駆け込んだ。
 独りぼっちになったポーリーンは、つまらなくなり大声で叫んだ。
「“何だ!!!“男の子”は、室内で遊ぶ遊びばかりじゃないか!!!!”」





 2000年程昔は、この“地球”が自分達“イース”の故郷の星であり。

 確かポーリーンの母の話では。その頃の子供の遊びはもっぱら、女の子が、ままごと、お手玉、室内遊技。
 男の子が、木登りや缶蹴りなどをして外で遊んでいたそうだ……。

 ポーリーンは不思議そうに、ぽそりと言った。「変なの……。」
 またポーリーンは、母が言っていた別の言葉も思い出した。

「私達イースは遠い昔、地球という星に住んでいたのよ。というよりは、地球という星で生まれたの……。
 でも、地球は何度も何度も、“戦争”で壊れかけた星なの。原因は皆、“男(オス)達”の“欲望”や“闘争心”が“原因”だったのよ。

 “男”達はね。“女性”や“子供”を“卑しい者”として扱って。自分達ばかりが“偉そぶって”
 わがまま勝手。某弱武人。乱暴暴力そのままに、この星を私有目的に荒らし回ったのよ。

 だから私達の“イース”では、あくまでも“女性”が“男”を“指揮”してゆかなければならないの。
 それがイースの“平和”。イースの“永遠の誇り”なのよ。ポーリーンは、私の跡を継いで立派な“イース帝国の指導者”にならなければならない娘よ……。」


 ポーリーンは、間もなくして、緑隷(グラウコス)を独り野外に呼び出して言った。
 緑隷は、“アポロドロス1”という名の、最もポーリーンが慕っている、緑隷の独りだった。
 アポロドロス1は、思慮深く、物知りな中年緑隷であった。



ポーリーン「ねえ、アポロ1。野外で遊ぶ遊び、何かなあい?! 男の子と遊ぶのは面白くないわ。」
アポロドロス1「ポーリーンさま。男の子と遊ぶのでしたら。影踏みや、目隠し鬼ごっこはいかがでしょう?! 私も小さい頃はも近所の子供達とよくそうやって遊びました。」

ポーリーン「影踏み……?!」
アポロドロス1「お互いの影を踏み合う遊びでございます。踏まれた方が負けでございます。日の当たる場所でするのでございます。私などは時間を忘れてよく遊びましたね。」

 するとポーリーンは、即興にアポロドロス1の影を踏んで見せ、間もなく言った。
「ふふっ♪ これでいいの?!」

アポロドロス1「そう、そうでございます。私は不意をつかれてしまいましたな。私の負けでございます。……そうですな。私の祖星では、遠い昔の言い伝えでは、影踏みをされれば“妻になる”風習がありましたな。」

ポーリーン「“踏まれた”ものが、踏んだものの“妻”になるのか?! 私は、アポロ1などを“妻”にはしたくないわよ。」
アポロドロス1「ははは。あくまでも昔の私どもの、緑隷世界での、言い伝えでございますよ。
 今では誰も、そのようなことをするものはありませんよ。」

ポーリーン「そんな風に妻が娶れたら、面白いな!!!」

アポロドロス1「ポーリーンさまは、“貴族”でございましょう。ですから、大人になりましたら、お母さまのように幾らでも“側室(男妾)”が、手に入りますよ。」
ポーリーン「そうなのか?! 私は、男妻は“数”より“質”だな!!!“質”の良い、男が少しだけ、居ればそれで良い!!! 私は、少しの“男妾”を、“宝石”のように可愛がりたいのだ!!!」

アポロドロス1「それはそれは、良い考えでございます。」


ポーリーン「ねえ。アポロ1。独りで遊ぶ遊びは無いの?!」
アポロドロス1「女の子が独りで遊ぶのでございましたら、“竹馬”や“高下駄”などはいかがでございましょう。」

ポーリーン「“竹馬”とは、どのようなものか?!」
アポロドロス1「造ってごらんに入れましょうか?!」

 ポーリーンが「うん。造れ!!!」と言うと、アポロドロス1は、反重力スクーターに乗り、近くの森林へ入って、真直ぐな木の棒を2本ばかり採って来ると、実に器用にレーザーナイフを使って、ポーリーンの眼の前で昔懐かしい“竹馬”を造ってみせた。

 その“竹馬”の“デザイン”たるや、むしろ“20世紀”の頃の子供の玩具。“竹馬”に、正にそっくりであった。
 まず、アポロドロス1が、ポーリーンの前で乗って、実演してみせた。


 ポーリーンの表情は、見る間に笑顔になった。
「“面白そう!! 私にもやらせて!!!!”」

 喜び、両手を延ばすポーリーンに。アポロドロス1は、竹馬を手渡した。
アポロドロス1「最初は危のうございますから、一番低いのから、やってみましょう。」

 一旦手渡したものの、ポーリーンは竹馬に乗るのは初めてである。アポロドロスは、最初竹馬を地面から45センチばかりに調節していたので、30センチ程の長さに直そうかと思って、むふとポーリーンに声をかけた。
ポーリーン「うん!!! この高さでいい!!!」

 間もなくポーリーンは、竹馬を4、5歩程歩いて、手前にこけてしまった。
 ポーリーンは、転んだと同時に、膝を擦りむいたみたいだったが、黙ってその場に起き上がると。また、竹馬に乗った。
 こうして何度か試みているうちに、

 遠くの方から“アデライン卿”こと、ポーリーンの母が、仕事の帰りだろうか、
 独りプクーター(スクーター型ヤプー)に乗って、ポーリーンのそばにやって来た。

 アデラインは、しばらく無心に竹馬に乗るポーリーンの仕種を、黙ってまんじりと見ていた。
 ポーリーンのバランスの取り方が徐々に上達してゆく。必死で遊ぶポーリーン。

 ポーリーンが、母の前で一回転んだ。

 アポロドロス1はいかにも心配そうに、アデライン卿に、
「ご、ご主人様……。」と言い。

 アデラインは、転んだポーリーンに手を貸そうとする、アポロドロス1の手を、咄嗟に止めながら、
「女の子はね。こういう事には男の子より、慣れが早いのよ。」と、ポーリーンに優しくさとし。

 母が、この場に到着した十数分後には、ポーリーンは上手に竹馬を乗りこなせるようになっていた。
“かぽかぽ”と小気味良い音を立てながら、地面を歩くポーリーンに。

 母、アデラインは、いかにも嬉しそうに手を叩きながら声援を送った。
「“よくやったわね!!! ポーリー!!!”」

 ポーリーンは、終始懸命だつたために、母がすぐそばまで来ている事に、この場になって始めて気が付いた。

 突然つぶやくポーリーン「お母さま……。」

 眼を丸くするポーリーンの、膝小僧が突然痛みを感じ出した。
「“あ、痛タッ……!!!!”」




 すると間もなく、邸宅の方から、ゲッター(反重力下駄)を履いた、ジャンセン家御用達の“セッチン(トイレのヤプー)”が“全速力”で、すっ飛んでやって来た。
 その間。わずか“3秒っ!!!”セッチンは、アデラインが急遽呼び出したものだった。

アデライン「ポーリーン。傷口はセッチンに嘗めてもらいなさい。」

 するとポーリーンは、気持ち悪そうに。
「セッチン嫌だー。」

 するとアデラインは、可笑しそうに笑いながら。
「“先入観”があるのね?! セッチンは“し尿”を食べる“ヤプー”だから。だけど、
 誰の“お尻”でも嘗める、家庭用来客用“セッチン”の“唾液”は、物凄く“消毒作用”が強いのよ。

 ……だから、セッチンから“病気”が“感染”したという、データーが今までに一度も無いのよ。
 ねえ、一度でも、“ガンジダ”や“孔痔”を、他人様から罹された試しが今までにあって?? ポーリーン?!」

 その通りである……。“宇宙生物学”の“科学者”でもある、アデライン卿の言うことはいかにも、最もである。
 ポーリーンは母の言い付けを守って、いかにも気持ち悪そうにしながらも“セッチン”に怪我をした膝小僧をぺろりと嘗めさせた。

 間もなくして、アでラインはアポロドロス1に言った。
「少しぐらい乱暴に扱っても良いのよ、うちの娘は!! うんと“女々しい(イース語。逞しい)娘”に育ってもらわなきゃ成らない娘ですもの!!!
 ゆくゆくは、うちのジヤンセン家を背負って貰わなきゃ成らない子ですもの!!!

 ねえ、アポロ1。ポーリーンのあの手に持っていね玩具。あれ何って言うの?! 私始めて見るわ。私もやってみたい……。
 アポロ1。私にも造って下さる?!」

 意外なアデライン卿の言葉に、アポロドロス1は眼を丸くすると。
 今度はアデライン卿のためにもう1つ、竹馬を造って見せた。

 アポロドロス1が、
「はい。御主人様(アデライン卿。女性である)に……。これは“竹馬”という、私どもの祖国の玩具でございます。」と仕立てたばかりの竹馬を手渡しながら言うと。

 アデラインは「そう。随分不思議に素朴に物ね。」と、首を傾げながら受け取り。

 時間は、いつの間にか。そろそろ夕焼けが焼けて来る時刻の頃となりつつも……。

 ポーリーンとその母は。
 2人を見守る、緑隷のアポロドロス1と、セッチンと、プクーター達と共に。
 いつまでも、竹馬ごっこをして遊んでいるのであった……。 2001'2'24'



原文・2001年2月24日。
2009年2月 アップロード。






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ACT2“真・家畜人ヤプー・リリスの帝国編”第27話、第28話

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